Q :
テラリウムって何ですか?
どうすれば楽しく出来ますか?
の質問に対して答え合わせしてみよう。
|
A :
a
最近人気の苔テラリウム。
ガラス容器の中で手軽にコケを育てられるので、
忙しい現代人にもピッタリです。
ところで、
『テラリウム』とはどのような育て方のことで、
いつ頃から広まったものなのでしょうか?
テラリウムの語源は、
ラテン語で「テラ(terra)= 大地・陸地」と
「リウム(arium)= 場所」を合わせた造語。
テラリウムとは、
ガラスなど光が通る密閉された透明なケースの中で、
陸上の生き物を育てる方法のことを言います。
密閉されたガラス容器の中では、
水分が循環するため、
長期間水を与えずに植物を育てることができます。
小さな温室のようなものですね。
b
【テラリウム内での水分の循環】
・土から蒸発した水分や、植物の葉から蒸散した水分 ⇨
・ガラスの表面で結露 ⇨
・水滴が土に還り、また植物に利用される
すげえ!!!
|
c
テラリウムとは、
【容器の中で、
湿度や温度を保ちながら、
陸上の生き物を育てる方法】。
かつて水やりが困難だった長期の船旅に使われたように、
【保湿と保温】がテラリウムの特長。
園芸的には、
コケやシダ、
熱帯の植物などに適している栽培方法です。
そう考えると、
蓋がある密閉型の容器、
または蓋がなくても深さがあり、
または口が狭く、
湿度を保つことができる容器で育てる方法を
『テラリウム』と捉えるのが
正しいのではないでしょうか。
人気が出てくると、
本来のテラリウムの定義からはかけ離れたものまで
「苔テラリウム」として
取り扱われるようになってきます。
d
小さな苗木や平凡な石でも、
ガラス容器の中で
その魅力を最大限に引き出せる場所に配置すれば、
その風景に必要不可欠な存在感を示すものです。
小さな苗木も大木の姿を現し、
小石も霧立ち込める山の奥の巨石となりますね。
ひと盛の土は観る人の心に雄大な山を感じさせ、
一握りの砂は渓谷の流れを思わせます。
苔もまた木の根に千年の歴史を感じさせ、
山肌に這って大森林の風景を作り出します。
それはまさしく自然の成せる技であり、
その自然のたたずまいの真理を
汲み取ることが出来たとき、
それは忙しい現代に暮らす人々にとって
この上ない心の幸せだと思います。
道端の花が密かに咲いて、
やがては色あせて萎びていくように、
私達の生活もいつかは終わりが来るのですが、
その限りある日々の暮らしの中にこそ身近な楽しみ、
喜びをもち心豊かな生活を送りたいと考えています。
せわしなく
そして緊張の続く現代の暮しの中に情緒豊かな、
心のなごむ感覚の世界を
実感させられることがあるとすれば、
それは慌ただしい日々に追われている身には
まさしく楽しい憩いのひとときとなります。
博士 :
なるほどのう、
湿度を保つことで
植物を育てやすくする装置として
発展してきたのが「テラリウム」。
どんな植物でもテラリウムで育てられるわけではなく、
なかでもコケは
テラリウム環境に向いている植物といえるのじゃ。
その特長をしっかり伝えつつ、
苔テラリウムのよさを広めていきたいものじゃな。
|